2009年9月3日木曜日

金田伊功さんのご冥福を祈ります

僕が子供の頃から活躍してこられたアニメーター、金田伊功さんがお亡くなりになりました。
まだ57歳ということなので、命を削って作品を生み出しておられたのだと思います。
ご冥福をお祈りします。

金田さんが亡くなっても、金田さんの作ったアニメーションのスタイルは、綿々と受け継がれていくことと思います。

ありがとうございました。

2009年8月29日土曜日

サマーウォーズ

圧倒的な傑作です。
僕にとっては、エヴァンゲリオン以来のインパクトかもしれません。
こんなすごい劇場用アニメは、今後しばらく出てこないでしょう。
細田守監督渾身の力作で、監督自身にもこの作品を超えるものを作るのは難しいかと思います。

最近僕は仕事が激務で、睡眠時間が少なく、しかもビールを飲みながらの視聴なので、ちょっと頭は怪しかったですが、それでも、言い過ぎではないと思います。

この作品には、ボーイミーツガール、家族愛、人類愛など、普遍的要素と、斬新なストーリーと映像、日常ドラマに、派手なアクション、コメディにスポ根、おおよそエンターテイメントに必要な要素がすべて詰まっています。
自分のことしか考えないという、今の社会風潮に対して、警鐘を鳴らしていたりもする。
とにかく、ヒットする要素が盛りだくさんです。
こんな作品を作ってくれたスタッフの方々、感謝いたします。

以下、さらに好きなことを適当に書きます。

この作品は、日本人をジブリ作品の呪縛から解き放つ作品になると思います。
昔のジブリ作品があまりにもすばらしかったため、ジブリというだけで、面白かろうが面白くなかろうが客が入る。今まで、長い間ジブリ映画に変わるアニメ映画がなかったのですが、時かけの成功と、この映画の持つパワーは、「夏のアニメ映画はジブリで決まり」という閉塞感を叩き壊すのに十分です。
若い、すごい監督が作った面白いアニメ映画に、オタクじゃない、普通の人が、お金を払って劇場に見に行く、好ましい状況を作ってくれると思います。
制作委員会に、ジブリと同じよみうりテレビが入っているので、もしかしたら、ジブリ映画に変わる映画を育て、それが成功したという、狙い通りの状況なのかもしれません。ま、ビジネス的に、狙ってできる映画のレベルではないとも思います。

作品についてもう少し。

僕は『時をかける少女』は、丁寧に作ってある印象はありましたが、ちょっと苦手なタイプの作品で、あまり楽しめず、世の中がなぜそんなに細田守監督を好むのかちょっとわからなかったです。
今回の作品はわかりやすいエンターテイメントで、時かけより、だいぶユーザー層が広いように感じます。僕もその広がったユーザー層に入ったわけです。
また、細田監督の特徴として、『古臭さ』があると思います。日常ドラマを描いた作風も古臭さを感じさせますし、変身少女やお色気で鼻血など、日本アニメの伝統的な演出のシーンが数多くあります。
敵は、知識欲を持ったプログラムなのですが、こいつもよく考えれば、とても古典的なスタイルのラスボスです。
最近のアニメで描かれるプログラムやウィルスは人間のように生物的で、自己増殖や、生存本能といった面が強く描かれることが多いと思います。つまり、自分をどんどんコピーしていき、異物をどんどん取り込んで、多様性を持つことで、種として生き残ろうとする。
ところが、この作品のプログラムは、とにかく他者を食らい大きくなることで、強い固体になっていく。こういう進化だと、1つの天敵の出現で絶滅してしまう可能性があり、生存目的だとあまりよろしくない。
この敵は、生存目的ではなく、とにかく貪欲に知識を集めるだけの存在です。つまり、富を独占する暴君で、非常に古典的な悪役であるわけです。
知識を集めるのに死んじゃったらダメなんで、生存本能も必要だと思いますが、作品としては、このぐらいのバランスの敵ということでしょう。花札が弱すぎるのが少し気になりましたが。
作中にも温故知新を描いたシーンが数多くありますが、細田監督自身も古い感性と、新しい感性の両方を兼ね備えた監督だと感じました。優れたクリエイターの条件として、この古い感性と新しい感性を併せ持つということは、かなり重要なのかもしれません。
また、この細田監督の作風が、ちょうどジブリのアニメを好む層、日本人の多くの人と一致します。
キャラクターも影を入れない淡色で、貞本氏を起用していても、いわゆるオタク向けの絵でなく、一般の大人でも嫌悪感を感じないように作っていて、かなり、大衆を意識したつくりになっています。
作品を通して貫かれている、人間愛、人類愛も、誰にでも受け入れやすい、感動しやすいテーマだと思います。人を性善とする意思が強く伝わってくる映画です。

神山監督、磯監督の作品ように、ネット社会を舞台にする作品がどんどん増えています。
やっぱり映像的に刺激的なんでしょうね。
みなさんの描き方が非常にバラバラなのが面白いですね。

この作品を期に劇場用アニメが盛り上がって、お客さんがどんどん増えると嬉しいです。

2009年8月15日土曜日

盆休みはほとんどありません

うちのスタイルは、「いいものを安く提供」です。
売上げに比べて、仕事量が多くなって、盆休みが取れなくなりました。
長引く不況で、仕事がない会社も多い中、ありがたいことですが、売上げに直結しない仕事が多いのが、悔しいです。
少しずつ、仕事を選ぶスタイルに変えていきたい。
それには、圧倒的な実力から来るブランド力が必要です。
うちは、営業スタッフがいないので、制作物が営業代わりです。
そろそろ、いい製品を結構な数リリースできているので、ステップアップする時期のように思います。

駄文

久しぶりに過去ログを読み返してみると、誤字脱字が多く、文章のつながりが悪い。
内容も、その時感じたことを書いているので、今読み返すと「?」となるものも多いです。
ブログとはそういうものと思うのですが、やっぱり恥ずかしいです。
このブログを読んでいただいている方、本当にありがとうございます。

レ・ミゼラブル

斎藤正直さんの訳で読みました。
まあ、だいたい知っているストーリーです。

ワーテルローの箇所が長くて、読み飛ばしました。
この作品が書かれた頃は、小説を読むことが無二のエンターテイメントだったと思います。
ワーテルローの記述のような、本編と関係のない記述を、作者の志向の赴くままに作品に入れることができ、読者もそれを受け入れる忍耐力があったのでしょう。

アニメの少女コゼットは、ジャン・バルジャンがパリでジャヴェールに追われるあたりまでしか見ていませんが、この原作に非常に忠実な印象を受けました。
幼少の頃のコゼットが原作のように陰気にならないよう、周りに友達やペットを置いていたのが違うぐらい。
まあ、あと子供向けアニメでは不要な、悲惨な描写は除いていました。
このアニメを見ても、作品は十分に楽しめます。

また、「ああ無情」といった簡略本でも十分な印象を受けます。
長いんですよね。これでも、まだはしょってある訳なんですけど。

作品で描かれるジャンという聖人の生き方は、誰でもできることではない、それでも、ひとつの理想的な生き方です。この作品が書かれた時代のすさんだフランスの状況は、いつの時代、どんな社会でもある現実です。その中で、「正しく生きる」ことの大切さを書いた名作として、意味のある作品であり続けるでしょう。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

映画も見に行きました。
最終巻を読む前に行けば、ストーリーを思い出せてよかったです。

ハリー・ポッターの映画は毎回面白いです。
問題はトイレ休憩がないことぐらいでしょうか。映画館で長い映画を見るときは、ビールセットは頼まないようにしましょう。

このシリーズは、映像も内容もよいのですが、特にキャスティングがすばらしい。
ほとんどの登場人物がイメージぴったり。しかも、有名な人がたくさん出てるのにもかかわらずです。
細かいですが、合わなかったのは「シリウス・ブラック」「ギルデロイ・ロックハート」と、今作品の「ミネルバ・マクゴナガル」で、いずれも“老けすぎ”です。
パート1の、マクゴナガル先生は、キャストの「マギー・スミス」を他の映画で何回か見たことがあるにもかかわらず、マクゴナガル先生本人がスクリーンに出てきたと思ったぐらいピッタリだったのですが、この何年かで、一気に老けましたね~。

逆に、主人公の3人や、マルフォイなんかは、どんどんピッタリになったと思います。
主人公のハリーは、1作目ではちょっと可愛いすぎでしたが、歳を重ねるごとにハリー・ポッターの“さえない”雰囲気がちょっと出てきて、どんどんハマってきたと思います。
ハーマイオニー役のエマ・ワトソンは美少女すぎるのが、ちょっと違うのかもしれないですが、ほとんど出ている役なので、ブサイクよりキレイな方がいいですね。

この作品は原作と映画が同時進行していたので、映画のキャストに原作の方が引っ張られたと思われる面があります。
ネビルは、最初いじめられっ子役でしたが、映画の中で、どんどんデカくなって、どう考えてもいじめられない体格になってしまいました。原作のネビルも、最終巻でダンブルドア軍団のリーダーになって、勇敢な面を見せます。
また、マルフォイ役の子も、禿ではないと思いますが、おでこがかなり広くて、最終巻に、そのような外見的な記述があります。
まったく的外れかもしれないですが、原作と映画を知っていると、いろいろ想像できていいですね。

最後の映画は2本に分けて公開。もう少しハリーと一緒に居れますね!

ハリー・ポッター

ようやく最終巻を読み終わりました。
世界的ベストセラーは伊達ではなく、とても面白いです。
一応、児童書ですが、子供から大人まで、夢中になれます。

10年かけて、7巻が刊行され、僕も10年歳をとりました^^

毎巻読んでいて悔しいのが、前作を読んだのが1年以上前で、伏線をほぼ全て忘れており、読み始めに毎回苦労しました。最終巻は、ハリーの好きな女の子すら忘れていました…
全巻に渡って、細かい伏線があり、多くの登場人物が出てくるので、続けて読む方が絶対に面白い。
7巻完結している今こそ、まとめ読みができる、いい時期ではないでしょうか。

ハリー・ポッターは簡単にジャンル分けすると、ファンタジー+推理小説なんですね。この2つのジャンルを組みあせた作品は、今まで読んだことがない。新しい読み味の作品です。

3巻が一番面白かったし、泣かされたと思います。3巻のあとがきに、3巻が一番人気があると当時書いてあったと思いますが、その通りです。

いろいろウワサのあったラストも、児童書として恥じることない、王道のエンディング。
ベストセラーにふさわしいラストだったと思います。

「うちに、ハリー・ポッターが揃っている」ことは、幸せな家庭の象徴!?
だけど、4巻だけ、友達に貸したまま、何年か返ってきません。
返してください~!