面白い。映画が楽しみ。
『化物語』の前の話であるこの作品は、軽妙な台詞の応酬は少なめで、バトルメインの小説です。『化物語』よりも、さらっと読めて、楽しい作品。
主人公の語りで、結末は「悲劇」ということですが、実際はそんなこともなく、すっきりとした読み口になっています。忍野曰く、「みんなで不幸になる」結末は、今時の主人公が選ぶ、やんわりとした平和主義の結末で、ラノベユーザーにはすとんと落ちてくると思いました。登場人物にとっては、たしかに過酷なんだけど。
いつもの? どんでん返しも用意されていて、個人の趣味120%で書いた作品ということなのに、バトルに、お色気、どんでん返しなど、読者サービス満点だと思いました。
登場人物のカタカナ名がめちゃくちゃ適当で、話がよくできている分、その抜き具合が、またカッコよく感じられました。「ギロチンカッター」とか、昭和70年代のアニメぐらいのセンス。「阿良々木 暦」など、日本語の名前は、結構こだわって付けれているよに思いますが、カタカナのネーミング同様、西尾さんにとっては、適当なのか、それとも、カタカタ名も実はこだわっているのか、よくわかんない。このネーミングにすることで、阿良々木君の春休みの体験に、より、非現実感、ばかばかしさを持たせることができるからか。単に中2的な名前になるのがイヤだっただけか。どちらにせよ、名前はしょせんは記号なので、ストーリーテリングには、あまり関係ないようです。
『化物語』より、忍野がカッコよく、役割も多い。
この作品ではメインヒロインとなる、羽川 翼がエロくて、魅力的。この作品だけ読むと、阿良々木君がなぜ羽川と付き合わなかったのかがわからない。とにかく、羽川にあんな助けられ方をしたら、並みの10代なら、メロメロになってしまうと思われます。それでも、阿良々木君が言う「羽川はそんなんじゃない」ということで納得するしかないのか。もしかしたら、忍野の「あの子は気持ち悪い」という印象を阿良々木君自身も持っていたのかもしれません。でも、戦場ヶ原の方が、より気持ち悪いしなあ…
あと、パンツやブラをもらっても、嬉しくないと思います。自分が10代のときは、どうだったか…
残酷描写が多く、TVアニメでもギリギリできるけど、映画やパッケージの方が、制約が少ないので映画ということでしょう。映画が楽しみです。
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