2010年1月31日日曜日

チーム・バチスタの栄光

これはかなり面白いです。長編の作品で、ここまで面白かったのは久しぶり。

僕の好きな一人称の小説で、ストーリーもわかりやすくて、読みやすい。
序盤こそ、主人公のキザな言い回しが鼻につきますが、すぐに物語の力強い魅力に引き込まれていきました。
斬新な医療現場の設定や、謎解きも面白い。
最初からかなりハイテンションで物語が進みますが、下巻に入って白鳥が出てきてから、さらにテンションが上がります。ここまでテンションが上がる小説は初めてです。
主人公の田口のような自然体の生き方は、多くの人が共感を覚えると思うので、よい主人公だと思いました。
また、桐生、白鳥、高階など、物語中に天才が出てきますが、それぞれ描かれ方がカッコイイ。一般人の田口の目を通して描かれるので、彼らの凄さがよくわかるようになっています。

売れまくっている作品なので、今さらですが、多くの人が楽しめる作品で、ぜひオススメです。

2010年1月18日月曜日

ファイナルファンタジーXIII

まあまあ面白かったです。
正月休みををつぶして、クリアしました。ミッションも半分以上終わっています。

いわずと知れた、日本を代表するシリーズなんですが、今回のXIIIは、決して国民的ゲームではありませんでした。
簡単に言うと、ゲーム性を極力排除し、ストーリーと映像を見せることに注力した、インタラクティブムービーです(10の方向性をさらに極端にしたような)。
ファイナルファンタジーというビッグタイトルで、この方向性にするという決断は、すごいことだと思います。
ただ、そうなると、キャラクターやシナリオの比重が重くなるのですが、プレイ後の感想としては「ちょっとは感動するけど、全体的によくわからん」感じでした。全体的に、かっこつけすぎてて、それが、滑ってる感じでした。

・シナリオについて
カタカタの専門用語がたくさん出てきますが、ネーミングセンスの問題か、使い方の問題か、なんとなく最後まで違和感がありました。また、ファイナルファンタジー特有の、行き過ぎたエモーショナルな雰囲気がさらに強調されていて、気持ち悪い。ストーリーの本筋よりも、そういった表層が、まず気になりました。
話としては、まあ、いいと思うのですが、ファルシ、ルシと世界の関係性が、とても曖昧なまま進行します。これが、なんとなくスッキリしなくて、プレイしててもテンションが上がらないんですね。また、敵だと思っていたのが味方に、正義と思っていたことが悪になる価値観の逆転は、一つの王道だと思うのですが、このゲームの場合、ちょっとわかりにくかったです。
あと、「スノウ」の言葉を借りると、人間を守る戦いのはずですが、戦闘の3分の1ぐらいは何も知らない敵兵士相手で、ちょっと違和感がありました。
最後に2人の自己犠牲で、世界を救うところはカッコイイと思いました。

・キャラクターについて
僕がおっさんになったからかもしれませんが、女の子は小悪魔アゲハに出てくるような髪型やメイクで、ナチュラル感ゼロ。あまり好ましくありませんでした。イケメンばっかり出てくるのは、まあいいとしても、たまにしか出てこないくせに、「ヤーグ・ロッシュ」「シド・レインズ」のキャラが被りすぎてて、わかりにくかったです。
この作品の声優は、見た目がいい人ばっかりですね。中の人のビジュアルにまで、こだわってるのかも。

・演技について
これも、ちょっとカッコつけすぎて滑っていると思います。いまどき、後ろを向いたまま片手を上げてアイサツとか、なかなか見ないので、「え~!」と思いました。女性キャラは、可愛く見せようと、フリフリしすぎ。もっと普通の演技をつけて欲しかったです。

売りである、グラフィックはすごい。これがあるから、お金返せとはなりません。
コクーン強襲のムービーは、見ごたえありました。アクションは『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』と同様、ぐるぐる回りまくって、どうなってるのかよくわかりません。うちの古いプロジェクターではついてこれない動きです。映画『スピード・レーサー』も、こういう映像だったので、一つのスタンダードになっていくかもしれません。
ゲーム中のグラフィックもすごくて、楽しめました。特に大きなモンスターが本当に大きくて、存在感がすごい。戦闘中のキャラクターのモーションは、派手でも違和感が少なく、カッコイイと思うことが多かったです。

自由度がほとんど、ないことについてですが、このレベルのシナリオなら、自由度を上げてもらったほうが嬉しかったです。グラン=パルスの平原で、ちょっと自由になったときに、やっとゲームが始まったと感じてしまいました。思い切って変えるというチャレンジはいいのですが、その場合、これまでのファイナルファンタジーを大幅に上回らなければ、ユーザーは歓迎してくれないと思います。

これ単体では、まあまあ、楽しめましたが、これまでのFFシリーズ中でどうかというと、低い評価になると思います。
ストーリーボードで金田伊功さんの名前が出てきました。
残念ながら、ゲーム中では見れませんが、最後まで最前線でがんばっておられたんですね。

アカネマニアックス

まあまあ、よくできていると思います。
ageファンなら楽しめる作品。

君のぞと、マブラブの間を埋めるというこの作品がアニメになってしまうなんて、原作不足ageの人気はすごいですね。
まあ、よくできていたと思います。
熱血主人公の「剛田城二」ががんばっていて、普通、こういう不器用な熱血漢は応援したくなるものですが、彼の場合ウザすぎて、まったく応援する気にならないのがすごい。こういうキャラの声は関智一さんて決まってるみたいですね。
ARIAに出てた声優さんはなんとなく応援してしまうのですが、今回水橋かおりさんは普通の感じで、特に目立ったところはなかったです。苦手な?歌にも挑戦しておられました。

マブラブファンの僕には、冥夜や武が出てきて、ちょっと嬉しかったです。
まさに、僕のようなユーザーが見るアニメですね^^

クイーンズブレイド 玉座を継ぐ者

クイーンズブレイドが、さらにパワーアップして帰ってきました!
エロい絵が見たい方はどうぞ。

前のエントリーで、アクションにもっと力を入れて欲しかったと書いたところ、本当にそうなっていました^^
これで、バカ、エロ、アクションの全てが揃ったアニメになりました!「メルファ」の技には笑わせてもらいました。

エロい作画のときに呼ばれる原画マン、うるし原智志さんによるエンディングは、かなりのテンションで、これは、僕の中でうるし原智志さんの最高傑作になりました。3人組のうち、巨乳の2人が先に出てきたので、最後の「アイリ」はどうするんだろうと思っていたら、まさかの全裸、「まっぱ」で来ました。う~む、深い。

とにかく、面白いとか、面白くないとか、そういうアニメではないですが、こういうアニメもいいですね。

殺人の門

面白かったです。
僕の好きな、一人称で書かれた小説で、読みやすく、主人公に感情移入しやすかったです。

この、主人公ほどではないですが、僕はインドアで、ケンカが強かったわけではないので、教室でパンツを脱がされた経験などもあり、この、主人公には、大変共感を覚えました。
途中から、何度も騙されるバカすぎる主人公に、共感はしなくなりましたが、最後まで面白く読めました。

聖剣の刀鍛冶

面白くないです。原作未読。

ストーリーも、それほど面白いと思いませんでしたが、一応売れる要素は揃っているので、アニメ化でもっと面白くできた作品だと思います。これは、日高政光監督の前の作品、『鉄のラインバレル』のときにも思いました。戦闘シーンの絵コンテなどは、カッコイイと思うし、絵コンテマンとしては、たいへん優秀な方だと思いますが、シリーズ通しての監督としては、僕はあまり好きではありません。

ここから、ストーリーについてです。ファンタジーでありながら、各地を冒険するのではなく、自分が住んでいる1つの街を守るお話で、舞台は変わりません。『ジョジョ4部の』杜王町スタイルですね。このアイデアはいいと思いますが、これは、シナリオの作り方が難しいスタイルだと思います。このアニメを見る限りでは、設定が十分活かせていないと思いました。
また、タイトルにあるとおり、鍛冶屋が準主役にすえられています。このアイデアもいいのですが、結局自分で剣を振って戦っちゃってて、?ってなりました。
主人公の「セシリー」も、強いのか弱いのかよくわかんない。強くもないくせに、魂だけは高潔な主人公が、努力や、仲間の力で、だんだん強くなっていくということが、もっと伝わってくれば、面白くなったと思います。
全話通しての、流れが悪く、1話ずつの密度が薄いのかもしれません。

最終回、安彦英二さんが作画されたと思われるチャンバラはよかよったです。
『いろはにほへと』でも、すごい剣劇を描かれていたのを思い出しました。

そらのおとしもの

まあまあ面白いです。
第1話を見て、よくある押しかけヒロイン系のアニメかと思いましたが、実際は、下ネタ満載のギャグアニメでした。
印象に残っているのは、パンツが爆発する回で、テンション最高で、笑わずにはいられなかったです。

最終回、戦闘シーンの作画が、ボンズとか、サンライズが作るアニメぐらいのクオリティが出れば、もっと、テンションが上がったように思います。それが残念。

各エンディングの歌も凝ってるし、視聴者を楽しませようという強い気持ちが、感じられました。
ありがとうございます。

2010年1月16日土曜日

true tears

僕は、普段2度同じアニメを見ることはないのですが、この作品はちょっと気になったので、もう一度見てみました。
結果、前とだいぶ印象が変わったので、感想を書いておきます。

前のエントリー

前の僕の見方は少し浅かったようで、今回で、この作品をもっと好きになりました。
前見たときは、三角(四角?、五画?)関係を追いかけるのにいっぱいで、僕はヒロインのうち正統派の「湯浅比呂美」に肩入れしながら見ていました。
僕の場合、どうも電波系の女の人が苦手で、最初見たときは無意識的に「石動 乃絵」を毛嫌いしていたようです。今回、どうせこの子は最後振られるからということで、「石動 乃絵」応援目線になれて、この作品の本質が見えたように思います。
そもそも、メインヒロインが「石動 乃絵」なので、普通の人には、彼女の純粋さや、可愛さが、ちゃんと伝わる作りになっているのですが、僕の現実での好き嫌いが、作品を見る目を曇らせていたと思うと、ちょっとショックです。
特に、前のブログに書いた、後半2、3話の停滞感も、乃絵目線で見ると、結構いい感じに展開していると感じました。

かなりよくできた作品で、最近、ショボイアニメをたくさん見ているので、この作品は1話目から「面白い!」と思いました。
絵は多少荒いところもあります。それでも、脚本と演出をほぼ西村さんがコントロールしているため、全体的なクオリティはすばらしいです。

今回、見直して、面白さを再発見できてよかったですが、先入観が邪魔して、面白さを阻害してしまうのは、しょうがないとはいえ、もったいないですね。
作品を楽しむには、ある程度ニュートラルな状態が必要だと思います。