2020年5月14日木曜日

映画は24フレーム(24fps)で見て欲しい件について

私は、4K、HDR、Dolby Atmosといった、高品質化については、すごく興味があって、ぜひとも導入したいと思うのですが、この24フレームについては、あまりこだわっていません。

その昔、テレビがブラウン管だったころ、フィルムではなく、ビデオ撮りの映画というのがあって、たいそう安っぽく感じたものです。
それが、HTPC(ホームシアターPC)を導入して、ソフトウェアによるフレーム補完を体験してからという言うもの、私はヌルヌルした動きが大好きになってしまいました。かれこれ、20年近く前のことです。

もともと、24フレームというのは、どうやって決まったのでしょう。
無声映画が16フレームで作られたのは、人間が動きと認識できる、できるだけ少ない枚数ということと、以下は私の推測ですが、それまで、時間軸を平面に落とし込んだ、もっとも一般的なもの。そうです。“楽譜”と同じ4の倍数のため、割りやすく、タイミングが取りやすかったからではないでしょうか。

余談ですが、初期のパソコンのムービーは10や12フレームもありましたが、15フレームというものが主流でした。16に近いですよね。高画質なものが30だったので、こちらはテレビをベースにしたものでした。

さて、トーキー映画になって、音声を途切れなく入れるために、フレーム数は、16から24になります。16の1.5倍で計算しやすく、さらに3でも割り切れるようようになります。つまり、24フレームは高価なフィルムを節約して、作業効率を上げるための、絶妙な数字だったとも言えます。そして、24フレームが一般的になったことで、撮影機材や映画館の機械が24フレームになり、映画制作者は24フレームにこだわって、世界観を表現することになったわけです。

ただ、本来的な話をすると、現実世界にはフレームは存在しないため、映像表現としても、人間がフレームを認識できなくなるまで、フレームレートを上げることが望ましいはずです。テレビが60フレームになり、ゲームも60フレームが当たり前、ハイスペックPCでは100以上のフレームレートが出せる中、映画だけが24フレームのまま取り残されてしまっているとも言えるのです。

私は、今ではヌルヌル動く映像に、安っぽさは感じません。ただ、一般的には違うようです。
『ホビット』で、48フレームに挑戦する動きがありました。結局、製作費だけかかって、安っぽいテレビ番組みたいだと、不快に感じる人が多かったようです。それほど、「映画は24フレーム」という呪縛が強いのだと思います。

実は、私は、映画館で3D HFR(ハイフレームレート)でこの作品を観ましたが、何の違和感も感じませんでした。プロジェクターのフレーム補完を見すぎて、感覚がバカになっているのもありますが、この作品を見て、フレームレートは作品の面白さにあまり影響しないということもわかりました。

私は、HFRの映画が安っぽいとは思いませんが、お金をかけてやるほどの意味もないという理由で、24フレームのままで十分とも思います。

「映画の世界観を表現するには24フレームでないと」というのは、実は伝統的な価値観で、「見慣れているから」というだけです。本来、制作者は、12でも60でも、その作品の世界観を表現するために、好きなフレームレートを選べばよくて、実際、『ジェミニマン』は4K120fps撮影されています。フルCGの映画なら、レンダリングの枚数を変えるだけでフレームレートは変えられます。

現状、映画館の機械は簡単に入れ替えできないので、12にはできても120は難しい。製作者は24フレームに慣れちゃってるし、8フレームといった、リミテッドアニメーションの技術を転用するなら、やはり、伝統的なフレームレートにはなってしまう。

結局、様々な理由で、映画制作者にとって、24フレームを選択するのは、必然性が高いということになります。

さて、私は作品の面白さに、フレームレートがあまり影響しないと思っている=フレームレートに対しての感覚が鈍いので、そこに、こだわりなないどころか、フレーム補完でヌルヌル動く方が心地よかったりします。

それでも、映画制作者の意図したとおりに見て欲しいというところには、大賛成です。
今では民放で映画を見ることはありませんが、昔はテレビで放映される映画の映像は、4:3の画面に合わせて、左右が盛大に切られていたし、放映時間に合わせて内容がカットされており、カットしてないものはわざわざノーカットといううたい文句がついていたくらいです。

今でも、スタッフロールはカット。あっても、短いものに差し替えられます。
映像や内容が切られてしまう時代には、フレーム数よりも重要な問題がたくさんあったわけです。

今ではストリーミングで、好きな映画を、ほぼ完全な状態で見られる時代になりました。
そして、ハードウェアの進化で、引っ掛かりのないスムーズな映像が見られるようになりました。

そんな時代だからこそ、制作者が「24フレームで見て欲しい」という、ちょっとマニアックな指摘をすることになったわけです。

2020年5月13日水曜日

Fire TV Stick 4KはNetfixのDolby Atmos非対応

Fire TV Stick 4Kは、未だ、NetfixのDolby Atmosと24fpsに非対応なため、私の使い方では、対応が不十分といえます。
アップデートされる気配もありません。
諦めてXBOX ONE Xを買い足しました。

Fire TV Cube

新しい、Fire TV Cubeで、Netfix作品『ローマ』をDolby Atmosで視聴という記事があり、どうやら対応したようです。

商品説明によると、「Dolby Atmosに対応する機器をお使いの場合、Netflixの一部のタイトルが利用可能です。」とのこと。
Netfixの24fps対応は、まだかな。

Amazon Prime VideoのDolby Atmos作品


2020年5月時点では
  • ラスト・ウィークエンド(字幕版)
  • ジャック・ライアン シーズン1のエピソード2~4
だけかな。
以前、見れていた以下の作品は、現在有料となっています。
  • ゼロ・グラビティ 字幕版
  • ゼロ・グラビティ 吹替版
  • トゥームレイダー・ファーストミッション 字幕版
作品数が少なく、なんとも寂しい状況。
Dolby Atmosは、環境を整える敷居が高いものの、設置さえすれば、5.1chサラウンドより大幅に臨場感が増すので、少しずつでも作品を増やしてほしいものです。

ホームシアターの本場(?)、アメリカの人たちは、ちまちまと、天井にスピーカーを付ける気質じゃないのか。大音量が出せるスピーカーがあれば、それでOKなのかなあ。
まあ、5.1chサラウンドまで揃えておけば、家庭の音響的には十分で、天井にスピーカーを設置しても、映画の面白さが変わるわけでもなく。
やっぱり、マニアックな世界なのかもしれない。

今のところ、Dolby Atmosでストリーミングの映画を楽しみたいなら、Netflixなんでしょうね。