2009年12月10日木曜日

マブラヴ オルタネイティヴ


評判どおり、かなり面白いです。
こういったSF要素の強いアドベンチャーゲームとしては、傑作といってもよいと思います。

『惑星メフィウス』『ザース』『ジーザス』など、僕たちの時代には名作のSFアドベンチャーゲームがありました。
現在、コマンド選択式のADVゲームはエロゲだけで生き残っており、この『マブラヴ オルタネイティヴ』が、SFアドベンチャーゲームが正常進化した最先端ということになります。

ボリュームが凄くて、クリアするまで、3週間程度要しました。文庫本3冊分ぐらいの文章量があるのではないでしょうか。腰を据えてプレイする必要があります。

シナリオがすばらしく、複雑なストーリーや凝った設定にもかかわらず、物語の根幹部分がシンプルなので、全体理解がしやすく、ユーザーが置いてきぼりにならないようになっています。破綻なく、きれいにまとまっており、なおかつどんでん返しも各所で用意されている、よい脚本だと思います。
戦争、友情、愛などの普遍的なテーマと、SF、ループ、メカアクションなどのバランスもよいと思います。

メインヒロインが純夏なので、冥夜萌えの僕は心配でしたが、サブヒロインたちも露出が多く、大変満足でした^^冥夜役の声優さん、上手くなっているような気がしました。
あらゆる描写が細かいので、それがこの作品の好き嫌いを分ける点かもしれません。戦術機やBETAについての描写が細かいのは好きですが、心理描写についてはくどすぎて、そこまでは不要かなと思いました。rUGPのリッチな表現で、文章を使わず心理描写を表現できれば、もっとよかったです。この、心理描写の表現ができるということが、ADVゲームエンジンの究極ではないでしょうか。単純に原画枚数を増やしたり、アニメーションにすれば、エンジンに頼らなくても可能です。しかし、エンジン側で表現できてしまえば、予算や納期といった制約の中でも、さらにすごいものが作れるようになると思いました。

問題になった?グロ描写は、絵としてのグロさは置いといても、シチュエーションとフラッシュバック(思い出し)の多用で、本当に不快な気持ちになります。作中でグロシーンを連発しているわけではないので、演出としては成功している方だと思います。

シャープなメカや、おどろおどろしいモンスターデザインは、かなりクオリティが高く、設定資料集を買ってみようかなと思わせてくれます。
それに比較して、キャラクターデザインは、オリジナリティが薄く、若干稚拙な印象を受けるのと、2002年当時のトレンドを繁栄しすぎているように思います。

画面がワイドになり、綺麗になりました。ただ、僕のワイドディスプレイで全画面表示させると、ワイドの中でさらにワイドになって、横につぶれちゃいます。おそらくrUGPの最新版では解消されていることでしょう。

このゲームをリアルタイムでやっていた方は、ほんとうにすばらしい続編がリリースされて、狂喜乱舞されたことでしょうね。僕は後追いなので、『マブラヴ』『マブラヴ オルタネイティヴ』両方大人買いして、一気にプレイしましたが、前の作品を忘れてなかったので、よかったです^^僕の歳だと、2年とか開いちゃうと、完全に忘れますから。

本作は、ロボットアニメ好きなら、ほとんどはまると思います。「エロゲはちょっと」とか、「女の子がたくさん出てきてロボットで戦争しているのが変」とかでプレイしていないなら、ちょっともったいないので、ぜひプレイして欲しいです。ちょっとつらい『エクストラ篇』も、オルタに至るまでの試練ですよ。

この難解な設定の作品が人気あるということは、日本のオタクたちは知識レベルが高く、みなさん本当に“通”なんだと思います。日本はまだまだ安泰ですね!?

0 件のコメント:

コメントを投稿