オタクネタばかり扱うこのブログでは恐縮ですが、ちょっと流行ってたので、青空文庫で読んじゃいました。
文学作品の感想は、偉い人がいっぱい書いてると思うので、僕がどうこうってのは無いのですが…
この作品は面白さで言えば、まあまあ。こういう世界もあるのか!という内容。
ロシア戦争とかの時代の北海道から出向する蟹工船の、超劣悪な労働環境が延々描写されています。
特徴的なのは、悪役には名前があるのですが、主人公たる労働者たちは、ほとんど集団として描かれ、名前で呼ばれることがないこと。これは、あなたも名もなき労働者ですという、読者への呼びかけ。
「今の派遣労働者や、ネットカフェ難民の状況とかぶって読まれている」と聞きましたが、程度の差は雲泥で、この小説の労働環境はめちゃめちゃです。
世界のどこかで、いまだ蟹工船のような労働環境で仕事をせざるを得ない人たちがいて、そういう人たちの労働の上に、先進国の繁栄があると考えると、ちょっと心苦しくなります。
0 件のコメント:
コメントを投稿