宮部みゆきの小説です。中居君の映画は未視聴。
面白いと思いますが、僕は少し苦手でした。
とにかく長編なので、覚悟を決めて読んでください。
犯罪者と被害者、被害者遺族の心理が、かなり綿密に描かれています。
架空の猟奇大量殺人を設定し、それを取り巻く人たちが、どのような心理状況なのかを、壮大なスケールでシミュレーションしています。それゆえ、かなり脇役まで、その背景がしっかり描かれ、どういう育ち方をして、現在のようなパーソナリティを持つようになったのかが説明されます。登場人物が多く、主人公も設定されていない、群像劇です。
僕はテンポのいいストーリー展開が好きなので、脇役の細かいプロフィールまでは、読むのがしんどかったです。
ストーリーは、さすがによくできています。
義男というおじいさんが、善意の好人物として描かれており、義男が次いつ出てくるのか楽しみになります。
『模倣犯』が誰なのか、読んだ人しかわからないのもいいです。
喫煙者に対する、愛情が感じられるところを見ると、宮部みゆき先生が愛煙家でしょうか。
また、家庭と仕事の両立に悩む滋子に対しても、愛情深く描いているように感じ、このあたりは女流作家ならではと感じました。
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