2009年8月15日土曜日

レ・ミゼラブル

斎藤正直さんの訳で読みました。
まあ、だいたい知っているストーリーです。

ワーテルローの箇所が長くて、読み飛ばしました。
この作品が書かれた頃は、小説を読むことが無二のエンターテイメントだったと思います。
ワーテルローの記述のような、本編と関係のない記述を、作者の志向の赴くままに作品に入れることができ、読者もそれを受け入れる忍耐力があったのでしょう。

アニメの少女コゼットは、ジャン・バルジャンがパリでジャヴェールに追われるあたりまでしか見ていませんが、この原作に非常に忠実な印象を受けました。
幼少の頃のコゼットが原作のように陰気にならないよう、周りに友達やペットを置いていたのが違うぐらい。
まあ、あと子供向けアニメでは不要な、悲惨な描写は除いていました。
このアニメを見ても、作品は十分に楽しめます。

また、「ああ無情」といった簡略本でも十分な印象を受けます。
長いんですよね。これでも、まだはしょってある訳なんですけど。

作品で描かれるジャンという聖人の生き方は、誰でもできることではない、それでも、ひとつの理想的な生き方です。この作品が書かれた時代のすさんだフランスの状況は、いつの時代、どんな社会でもある現実です。その中で、「正しく生きる」ことの大切さを書いた名作として、意味のある作品であり続けるでしょう。

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