2010年9月9日木曜日

アニメの革命児 金田伊功

NHK衛星第2のテレビ放映を見ました。
金田さんが描いたアニメはオンタイムでたくさん見てきましたが、別にアニメ雑誌とかを買っていたわけではないので、僕が金田さんを意識しだしたのは、30過ぎてからです。
アニメーターのインタビューで、金田フォロワーって言葉が頻繁にでてきてて、勉強しました。
金田さんは、個性が際立っているアニメーターなので、宮崎アニメの中では、ちょっと浮いていたりします。
宮崎駿さんも、金田さんの個性はそのまま生かしていて、演技はほとんど変えていないということ(友永さん)。
凄い天才だったんだなと、あらためて思います。
庵野さんは、宮崎さんの下で働いていたことが、金田さんに良かったのか悪かったのか、みたいに言っておられました。個性の強い天才は、どこでも苦悩するものかもしれません。
変なHなフィギュアを作っている村上隆さんも、はじめて見ました。話がうまくて、商業デザイナーのような方なんですね。

金田さんのテクニック、表現手法は、ガイナックスのアニメなんかで普通に目にします。アクションものの表現はほとんど金田さんがルーツです。
亡くなってもこういう形で永遠に生きると思います。

2010年9月8日水曜日

最初の3年間は赤字ってのはウソ

会社ではよく
「最初の3年間は社員を育てる期間なので、その間に辞められると会社は赤字だよ」
みたいなことを言われますが、これはウソです。
余裕のある一部の優良企業は別にして、普通の会社、ましてや中小企業が、3年間も赤字の人を置いておけるわけがありません。
うちの場合は、大体3ヶ月もすれば、みんな自分の給料ぐらいは自分で稼ぎます。
3ヶ月だと、それほど高度な仕事ができるわけではないのですが、仕事ってのは、難しい仕事もあれば、簡単な仕事もあって、新人は最初は簡単な仕事をやるわけです。
もちろん、ベテランが難しい仕事をやってこそ、簡単な仕事が付いてくるわけですが、簡単な仕事も、誰かがやらなければなりません。新人は自分にできる簡単な仕事をやって食いぶちを稼ぐわけです。逆に、ベテランからすれば、難しい仕事をしたほうが儲かるので、新人が簡単な仕事をしてくれると助かる。新人とベテランの関係は、教える教えられるだけではなく、お互いをフォローしあう関係です。

「3年間は勉強期間で会社は赤字だよ」っていうのは、本当は「赤字ってことはないけど、最初は勉強期間もかねてるので安く使うけど我慢してね」って感じでしょうか。
ただ、3年以内に会社を辞められると損失が大きいのも本当。採用や社員教育は、会社にとって大きな負担です。
仕事ができる人に長くいてもらうほうが、会社は儲かります。だから、3年とか経って、社員がキャリアアップを考える時期に、会社がしっかりをお給料を払っていないと、仕事のできる人から転職してしまうことになります。
一人前の仕事をできるようになっても給料が上がらないのは、「ず~っと安くでしか使いません」ってことなので、会社選びのときには、初任給だけじゃなくて、先の昇給モデルを見ておいた方がいいですね。

2010年9月7日火曜日

サービス残業について思うこと

サービス残業は違法ですが、うちのような業種はサービス残業しないとやっていけないのが現状です。
実際、みなしが多く付いているので、それほど長時間のサービス残業というわけではないですが。

僕は、サラリーマン時代から、サービス残業など気にせず仕事をしてきました。
クリエイティブの仕事は、成果物に対して報酬が発生するので、最初のころはいくら時間があっても足りません。
ものすごい時間をかけて、苦労して作ったものが売り物にならないことが当たり前。
そんな中、一人前になろうとすれば、残業なんていう概念すら持つことがありません。
実際、サービス残業せずにデザイナーとして一本立ちするのは、ちょっと難しいと思います。
サービス残業がイヤなら、この業種に就くのはやめた方がいいと思います。

民主党は最低賃金を1000円にするようなことを言っていますが、そんなことをすれば、会社は採用を控えるようになります。採用数が激減して、今後ますます職に就けない人が出てくると思います。
お金を生み出せないうちは、給料が少ないのは当たり前。お金が稼げるようになって、お給料が増えて、生活基盤が安定する。弱者救済ばかりに目が行きすぎると、そんな当たり前のことがないがしろにされるように思います。
みなさんは買い物をするとき、よりよいものを、より安く買おうとするでしょう。悪くて高い商品には見向きもしないですね。国際競争力にさらされたメーカーは、必死になって、よりよいものを、より安く提供していかないと、消費者に買ってもらえません。
それと同様、能力も低く、努力もしない人は、企業から見向きもされないのです。
逆に、人よりがんばれば、自分の商品力が上がって、雇用機会が増え、たくさんお給料をもらえるのです。

労働基準法は守らないといけないと思います。ただ、労働基準法は工場労働などの業種には向いていると思いますが、クリエイティブな業種とは合ってないと思います。
会社は、社員を育て、給料をしっかり還元できることが大切と思います。
がんばって努力すれば、報われる社会であって欲しいと思います。

偉そうなことを書いても、うちのスタッフはまだまだ安月給。僕は、うちのスタッフの給料が増えるようにがんばるだけです。

2010年9月6日月曜日

1Q84 BOOK1、BOOK2

まあまあ面白い。
村上春樹さんの小説は『ノルウェイの森』以来。

全体通して面白いんじゃなく、各章が面白いという変わった作品。
文章がとても上手く、わりと難解なことでも、すんなりテンポよく読めます。
主人公の天吾を通じて、作者の作家としての姿勢、文章へのこだわりが解説されます。(たぶん)

特にBOOK2の序盤までが面白く、各章ごとに楽しさがあります。これが、珍しい。毎章、起承転結を持ってきているんだと思います。全体的には、オカルトと、ファンタジーの要素が強い。特定の宗教をモデルにしているものもあって、無宗教の日本人なら、共感する箇所も多いと思います。
読みやすいけど、全体の物語は、難解か。

好みとしては、セックスの描写が多すぎ。作家性といえばそれまでですが。セックスは最終手段とまではいかないまでも、ここぞで使って欲しいなあ。この作品では、重要なイニシエイションのほかに、キャラクター付けなどに、頻繁にセックスの描写が使われるので、ちょっと多いなあと思いました。
実際、みんなセックスを省いた表面的なところで、人付き合いやビジネスをしてるので、キャラクターの説明にセックスは要らんと思いました。
人の性生活を見れば、その人がどんな人か分かるんでしょうか、ちょっと気になりますね。
まあ、普通は人の性生活を見ることないので、なんとも言えないですが。

ストライクウィッチーズ

まあまあ面白いです。
第2期から入って、急いで第1期のDVDを借りてきました。

この作品はパンツとか、猫耳とか、突っ込みどころは盛りだくさん、非オタクからすれば嫌悪感をもよおすこと間違いなしの作品で、ライトオタクにもちょっと敷居が高い。僕も、自分には関係ない作品なのかなと思っていました。
ところが、第2期の5話で、「あれ、ちょっと面白いかも」、6話で「すげー、面白い!」となってしまい、結局第1期も見てみることに。
第1期は、作画演出とも、少し荒削りですが、基本的には面白いです。ネウロイって何なの? とかの基本的な謎よりも、毎回各キャラクターに焦点が当てられた話づくりです。キャラ頼みの作品は、僕は好きじゃないですが、この作品はそこそこ面白いです。なんでだろう。やっぱり、きちんと演出されていているからでしょうか。
アクションの密度も濃く、僕でも知っている有名アニメーターが多数参加。田中宏紀さんの作画が何度も見れてよかったです。
DVDで乳首が解禁されているんですが、この作品に乳首は要らんと思いました。ちょっとHなぐらいで十分。女の子の友情と成長、アクションがあればよいのです。

僕はあまり兵器は詳しくないのですが、ゼロ戦の挙動とか、ちょっと適当な感じがしたんですが、第2期の8話でちょっと改善されていました。

パンツや、猫耳尻尾など、“外側”はちょっとアレなんですが、けして子供だまし、オタクだましの作品ではありません。本格SFではないですが、ライトな作品としては十分楽しめます。
敬遠していた人も、一歩踏み出せば、パンツの向こう側のパラダイスに出会えるはず!?
(あ~、結局こういうノリになっちゃんですよね。)

さまよう刃

まあまあ。映画未視聴。

なにより、最後、復讐を遂げられない長峰が不憫すぎる。

子供がいる人なら、この主人公の気持ちはよくわかります。唯一の家族を奪われた長峰の立場を考えれば、この行動は普通。
少年法の是非を問うている作品ですが、読んでいる読者は、長峰の行動を、まったくおかしなことと感じません。
本当の犯罪なら、加害者の少年にも、それなりに同情する余地があったりすると思いますが、この小説の加害者は、完全に鬼畜として描かれており、デフォルメされています。
だからこそ、ラスト、復讐できない長峰の無念さが、伝わります。
ちょこちょこ描かれる人間心理は、なかなか複雑で繊細。映画未視聴ですが、この原作で映像化の仕事が来たら、結構やる気出ると思います。

全体的に暗いテーマなので、それが好き嫌いあると思います。

テイルズ オブ ヴェスペリア

面白いです。
僕がプレイした中では、シリーズ中、一番の完成度。

画期的なアイデアはなくても、シナリオとグラフィック、アニメパートのクオリティをとことんまで突き詰めれば、面白いものはできるのか? できるんです!
メジャーシリーズならではの力技ともいえるし、磨き上げられたテイルズオブ職人たちの技ともいえます。
なにより凄いのは、このビッグプロジェクトを破綻なく成功させる、テイルズスタジオの仕事力かもしれません。

ユーリとフレンのダブル主役にしているあたり、シリーズも回を重ねているのに、飽きさせないようがんばってますね。
途中、騎士として日のあたる世界を生きるフレンと、影で悪人を始末するユーリが、池上遼一さんの『サンクチュアリ』の政治家とヤクザの関係を思い出しました。(古ッ!)
最後、エステルとフレン、ユーリとの三角関係で、汚れた自分には似合わないということで、ユーリが身を引く展開を想像していましたが、ラスボスを倒したら、あっさりエンディング。昔の香港アクション映画のような!、潔いラストでした。
ドロドロの昼ドラは、世界観に合わないですね;
ユーリとフレンがベタベタしすぎて、ちょっと気持ち悪い。男からすれば、男の友情は、多くを語らない方がいいと思いますが、これは、腐女子向けの演出と思われます。女性プレイヤー、大切ですよね。

声優さん、いい方が多いです。
今回目立っていいなと思ったのは、フレン役の宮野真守さんです。声とキャラがシンクロしすぎ。ヒロインの中原麻衣さんは安定感が凄い。結構カメレオンな方で、戦闘中の悲鳴で中原さんと気づきました。あの悲鳴は、中原さんにしかできないです。

サブイベントは遊びきれないぐらい用意されていて、今、ギガントモンスターは11匹中、7匹倒しています。
毎回、遊びきらないうちに辞めてしまうのが、僕のパターンなので、ちょっともったいないんですよね~。
社会人で、なおかつ他にいろいろ遊びたいものがあるおっさんには、全部遊びきるのは難しいなあ。

このゲームをやりこんで、映画を見れば、完璧。一番楽しめます。
PS3でプレイしましたが、XBOX360のユーザーさん、切れてもしょうがないです。
パティがいない、フレンがパーティ参加しないヴェスペリアは考えられません。
もうちょっと考えてあげて欲しいなあ。