2010年9月6日月曜日

1Q84 BOOK1、BOOK2

まあまあ面白い。
村上春樹さんの小説は『ノルウェイの森』以来。

全体通して面白いんじゃなく、各章が面白いという変わった作品。
文章がとても上手く、わりと難解なことでも、すんなりテンポよく読めます。
主人公の天吾を通じて、作者の作家としての姿勢、文章へのこだわりが解説されます。(たぶん)

特にBOOK2の序盤までが面白く、各章ごとに楽しさがあります。これが、珍しい。毎章、起承転結を持ってきているんだと思います。全体的には、オカルトと、ファンタジーの要素が強い。特定の宗教をモデルにしているものもあって、無宗教の日本人なら、共感する箇所も多いと思います。
読みやすいけど、全体の物語は、難解か。

好みとしては、セックスの描写が多すぎ。作家性といえばそれまでですが。セックスは最終手段とまではいかないまでも、ここぞで使って欲しいなあ。この作品では、重要なイニシエイションのほかに、キャラクター付けなどに、頻繁にセックスの描写が使われるので、ちょっと多いなあと思いました。
実際、みんなセックスを省いた表面的なところで、人付き合いやビジネスをしてるので、キャラクターの説明にセックスは要らんと思いました。
人の性生活を見れば、その人がどんな人か分かるんでしょうか、ちょっと気になりますね。
まあ、普通は人の性生活を見ることないので、なんとも言えないですが。

ストライクウィッチーズ

まあまあ面白いです。
第2期から入って、急いで第1期のDVDを借りてきました。

この作品はパンツとか、猫耳とか、突っ込みどころは盛りだくさん、非オタクからすれば嫌悪感をもよおすこと間違いなしの作品で、ライトオタクにもちょっと敷居が高い。僕も、自分には関係ない作品なのかなと思っていました。
ところが、第2期の5話で、「あれ、ちょっと面白いかも」、6話で「すげー、面白い!」となってしまい、結局第1期も見てみることに。
第1期は、作画演出とも、少し荒削りですが、基本的には面白いです。ネウロイって何なの? とかの基本的な謎よりも、毎回各キャラクターに焦点が当てられた話づくりです。キャラ頼みの作品は、僕は好きじゃないですが、この作品はそこそこ面白いです。なんでだろう。やっぱり、きちんと演出されていているからでしょうか。
アクションの密度も濃く、僕でも知っている有名アニメーターが多数参加。田中宏紀さんの作画が何度も見れてよかったです。
DVDで乳首が解禁されているんですが、この作品に乳首は要らんと思いました。ちょっとHなぐらいで十分。女の子の友情と成長、アクションがあればよいのです。

僕はあまり兵器は詳しくないのですが、ゼロ戦の挙動とか、ちょっと適当な感じがしたんですが、第2期の8話でちょっと改善されていました。

パンツや、猫耳尻尾など、“外側”はちょっとアレなんですが、けして子供だまし、オタクだましの作品ではありません。本格SFではないですが、ライトな作品としては十分楽しめます。
敬遠していた人も、一歩踏み出せば、パンツの向こう側のパラダイスに出会えるはず!?
(あ~、結局こういうノリになっちゃんですよね。)

さまよう刃

まあまあ。映画未視聴。

なにより、最後、復讐を遂げられない長峰が不憫すぎる。

子供がいる人なら、この主人公の気持ちはよくわかります。唯一の家族を奪われた長峰の立場を考えれば、この行動は普通。
少年法の是非を問うている作品ですが、読んでいる読者は、長峰の行動を、まったくおかしなことと感じません。
本当の犯罪なら、加害者の少年にも、それなりに同情する余地があったりすると思いますが、この小説の加害者は、完全に鬼畜として描かれており、デフォルメされています。
だからこそ、ラスト、復讐できない長峰の無念さが、伝わります。
ちょこちょこ描かれる人間心理は、なかなか複雑で繊細。映画未視聴ですが、この原作で映像化の仕事が来たら、結構やる気出ると思います。

全体的に暗いテーマなので、それが好き嫌いあると思います。

テイルズ オブ ヴェスペリア

面白いです。
僕がプレイした中では、シリーズ中、一番の完成度。

画期的なアイデアはなくても、シナリオとグラフィック、アニメパートのクオリティをとことんまで突き詰めれば、面白いものはできるのか? できるんです!
メジャーシリーズならではの力技ともいえるし、磨き上げられたテイルズオブ職人たちの技ともいえます。
なにより凄いのは、このビッグプロジェクトを破綻なく成功させる、テイルズスタジオの仕事力かもしれません。

ユーリとフレンのダブル主役にしているあたり、シリーズも回を重ねているのに、飽きさせないようがんばってますね。
途中、騎士として日のあたる世界を生きるフレンと、影で悪人を始末するユーリが、池上遼一さんの『サンクチュアリ』の政治家とヤクザの関係を思い出しました。(古ッ!)
最後、エステルとフレン、ユーリとの三角関係で、汚れた自分には似合わないということで、ユーリが身を引く展開を想像していましたが、ラスボスを倒したら、あっさりエンディング。昔の香港アクション映画のような!、潔いラストでした。
ドロドロの昼ドラは、世界観に合わないですね;
ユーリとフレンがベタベタしすぎて、ちょっと気持ち悪い。男からすれば、男の友情は、多くを語らない方がいいと思いますが、これは、腐女子向けの演出と思われます。女性プレイヤー、大切ですよね。

声優さん、いい方が多いです。
今回目立っていいなと思ったのは、フレン役の宮野真守さんです。声とキャラがシンクロしすぎ。ヒロインの中原麻衣さんは安定感が凄い。結構カメレオンな方で、戦闘中の悲鳴で中原さんと気づきました。あの悲鳴は、中原さんにしかできないです。

サブイベントは遊びきれないぐらい用意されていて、今、ギガントモンスターは11匹中、7匹倒しています。
毎回、遊びきらないうちに辞めてしまうのが、僕のパターンなので、ちょっともったいないんですよね~。
社会人で、なおかつ他にいろいろ遊びたいものがあるおっさんには、全部遊びきるのは難しいなあ。

このゲームをやりこんで、映画を見れば、完璧。一番楽しめます。
PS3でプレイしましたが、XBOX360のユーザーさん、切れてもしょうがないです。
パティがいない、フレンがパーティ参加しないヴェスペリアは考えられません。
もうちょっと考えてあげて欲しいなあ。

2010年9月2日木曜日

フルメタルパニックを読み終えて

この作品は僕にラノベの楽しさを教えてくれた作品です。
しばらく遠ざかっていたオタク文化に戻ってきたときに読み始めた作品でもあります。

僕の学生時代には『青の騎士ベルゼルガ物語』という、リアルロボットの面白い小説がありました。
ベルゼルガを読んでいたときは、大人になってからロボットものの小説を読んで楽しめるなんて思ってもみませんでした。
『燃えるワン・マン・フォース』では、フルメタの世界観で、ベルゼルガオマージュのバトリングをやってくれたのは、僕世代にも嬉しいサービスでした。

フルメタの楽しさを挙げるときりがないのですが、いくつか挙げてみます。

1.長編と短編がある
シリアスの長編とギャグの短編があって、単純に、作品の幅が広がっているし、戦争と平和、日常と非日常が常に隣り合わせであることも感じさせてくれます。2つはまったく別の読み口なのに、最終巻に近づくにつれ、2つの世界観が融合していく構成がよくできています。これは結構画期的なんじゃないでしょうか。

2.リアルロボットものの雄である
昔なら『ボトムズ』、今なら『マブラブ』や『アーマードコア』といった、油臭いリアルロボット物のなかでも、フルメタのリアルさは独自の輝きを持っています。それは、何巻かでやった2足歩行ロボットの操縦だけで短編をされたことに尽きます。歩行などの動作やマニピュレーターの操作方法など、結構突き詰めて考えられていて、しかも、読み物としても結構楽しめてしまったのには、度肝を抜かれました。

3.それでいて結構軽いエンターテイメントである
あくまで、ボーイ・ミーツ・ガールということで、誰でも楽しめる作品なのがよいです。
『フルメタルジャケット』他、いろんな映画から元ネタを取ってきたようなところもあって、結構ごった煮感もあり賑やかです。

ストーリーでは、クルツが死ぬところが全巻通して一番印象的です。
脇ではマデューカスが光りまくっていますね。映画なら助演男優賞受賞です!

アニメの続編もありそう!?だけど、完結するには4クール、50話ぐらいは必要かなあ。
それぐらいパワーのある原作だと思いますが、すでに3作品やってるから、やっぱり細切れでないと難しいかなあ。

とにかく、お疲れ様でした。
ロボットものの楽しさを思い出させてくれて、ありがとうございます!

フルメタルパニック 11、12巻

フルメタの完結編。
賀東先生、本当にお疲れ様でした。
大好きなシリーズです。
この2巻に関しては、大団円に向けた予定調和といった感じで、面白さはそこそこ。

ネタばれ注意です。
前半、出撃に向けて、宗介の心理描写が細かく、読んでいると宗介一緒になって盛り上がっていきます。
この前半の盛り上がりと、潜水艦の戦闘が、僕は一番よかったです。
レーヴァテインの飛行しながらの戦闘は、「やりすぎ! 落ちなさすぎ!」と思いながらも、ちょっと盛り上がってしまいました。

出撃は、1回だけですが、潜水艦やロボットのアクションはたっぷり。
全ての登場人物に納得のラストが用意されています。
賀東さんは読者へのサービスが徹底しておられて、好感が持てます。
ただ、クルツは死んだままの方がよかったのか、生きていた方がよかったのか、いろいろあると思いますが、今の若い読者は生きていた方が嬉しいでしょうか。僕は歳のせいか、死んだはずのキャラクターが生きていると、ちょっと冷めてしまいます。
前の巻、クルツの死に様がめちゃくちゃ格好良くて、ちょっと泣かされてしまったのはなんだったんでしょう。
まあ、別に悪くはないんですけどね、生きてても。これはこれで、お約束だし。

とにかく、12年間お疲れ様でした。
長編を完結させないまま投げ出してしまう作家も多い中、きっちりと完結させてくれたことが嬉しいです。
何巻かの後書きで、かなめとテッサの間を行ったりきたりするのは、宗介には似合わないということを書かれていましたが、物語がだらだら完結しないままでいるのも、宗介という主人公には合いませんね。
お会いしたことはないですが、宗介の潔さが、賀東さんに被りました。

ありがとうございました。

2010年8月25日水曜日

眼力

大好きな斎藤 一人さんの本で、買わずに立ち読みです。
ちょっとめくってみようというつもりが、結局全部読んでしまうことに。
面白くて、勇気付けられます。
僕は、前読んだ『変な人の書いた成功法則』が大好きなので、そちらの方が、今の自分には合っています。

第2部はCDなので、興味ある方は買った方がよさそうですね。